flower*season
「先輩子犬みたい。」
「わかったから、どいてっ……。」
上昇する心拍数がこれ以上ないくらいに上がっている。
ヒートオーバーするんじゃないかってくらいに。
大胆な行動に思考も上手く回らない。
「先輩をこのまま離したなくない。」
想像もしない言葉が頭の上から降ってきた。
うるさいって、離れてって言えば離れるかもしれないのに、上手く言葉が出ない。
高原の眩暈をさせるくらいの甘い言葉への反撃の術はない。
高原は今どんな顔をしているのだろう。
余裕な顔をして笑っているのかもしれない。
私の慌てる姿を見て、無様とでも思っているのかもしれない。