flower*season
顔を高原に向けると、意外にも余裕な表情ではなかった。
余裕でもないけど困惑もしていない。
普段はわかりやすいい高原の気持ちが、まったく伝わらなかった。
「先輩、顔真っ赤。」
「え。」
自分の頬を触れると確かに熱かった。
「可愛い。」
高原の言葉に耳を疑う。
私は可愛くなんかない。
素直でもない、可愛げもない、器用でもない、甘え上手でもない。
私なんかが可愛いはずない。
可愛いっていうのは、私みたいじゃない人を指す言葉。