flower*season
中庭に着くと、もうすでに凛が居て誰かと話している。
凜は少し苦笑いを浮かべている。
「凜!遅れてごめんね。」
「ううん、いいよ。」
ふんわりと笑う凜に私もそばにいる男の人も目を奪われる。
「じゃぁ、俺はこれで。」
小さく頭を下げて、去っていく男の人。
凜は手を振りながら、彼の後姿を見ていた。
きっと、あの人は凜が好きなんだろうな。
凜はそのことに気付いてなくて、友達って思ってるんだろう。
あの男に限らず、他の人もきっと凜がすきなんだろうな……。
私も男の人だったら、好きになってたかもしれないな。