flower*season







凜と拓也が話している横でご飯を食べる。


電話越しだけど、拓也の笑っている声が聞こえる。




凜もこれ以上ないくらいに笑顔で、その笑顔には一点の曇りもない。







「うん、それじゃあね。」






凜が私に携帯を渡した。






「拓也ー、お昼食べてるから切るよ。」



「お前は本当に色気ねぇな。」



「うるさい。」






その言葉を最後に拓也との通話を切る。




もう一度、お箸を掴んでおかずを頬張り始めた。


凜が満足げな顔で笑っているので、私もつられて笑う。




隣で凜が拓也のことを話す。


いつも話を聞く側の凜がずっと話しているから、なんだか新鮮に感じる。







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