flower*season
*麗らかな
彼のは私を惑わす。
勘違いさせるような言葉や行動に、心が揺れていく。
信じたくないという固い心も解けていく。
自分を守るために身に着けた強さは、音もなく壊れていく。
私にとって意地っ張りは強さの証拠だった。
素直になるのが怖かった。
でも、彼のことを信じようと思った。
太陽みたいに明るく柔らかく笑う彼は、私にとっては太陽よりも温かった。
それが妙に心地よかった。
――― 君の横は麗らかだ。