flower*season
「先輩もテストの勉強があるのにすみません。」
高原の悲しんでいる姿を見ると何も言えない。
「一人でするから、先輩は自分の勉強をしてください。」
「……いいよ、教えるよ。」
先生が頼むくらいだから、きっと赤点を取るくらいの点数なんだと思う。
男子バスケ部の新エースだし、これは赤点回避させなくちゃだね。
「放課後に旧図書室でね。」
高原が明るい顔になって「はい!ありがとうございます。」と笑顔でうなずいた。
こんな喜ばれると悪い気はしないしね。
それに一年生の問題の復習と思えばいいよね。
私は高原と別れて、放課後になるまで待つことにした。