flower*season
小テストのやり直し以外にも問題を解いていく。
「先輩、これ当たってますか?」
「当たってる。」
赤ペンで回答に丸をかく。
当たっていたことが嬉しかったみたいで、再び違う問題に取り組み始める。
物凄く集中していて、ずっとみてもなかなか気づかない。
カーテンの隙間から日が零れて、高原の髪が薄茶色に透けている。
いつの間にか手が伸びていた。
「綺麗だね。」
自然とこぼれた言葉と行動だった。
高原は私の腕を掴んで、顔を上げた。
自分のしていることを再確認して、急に恥ずかしくなる。
高原は少しだけ頬を染めて、バスケや問題に取り組むような真剣な表情をしていた。