flower*season
前の席の未海がこっちに向かって振り向く。
「沙羅なにするの?」
「んー、無難に二人三脚とかかな。」
パン食い競争でも悩んだけれど、競争率が高いからな。
「じゃぁ、一緒にしよう。」
「うん、もちろん。」
未海は満足げに頷いて、前を向いた。
二人三脚を私と未海が立候補して、二人で組むことになった。
身長も息も合うから、未海となってよかった。
不意に窓の外を見ると、一年生が体育をしていた。
きっとあの中に高原もいるんだろう。
相変わらず高原とは話すこともないし、関わることもない。