flower*season
「来なくてよかったのに。」
聞こえるようにボソッとつぶやく。
拓也が怒った表情で、私の頬を片手で掴んだ。
頬が押されていて不細工だったのか、拓也が腹を抱えるようケラケラ笑う。
「すっげー、変な顔。」
「うるさい、私いま悩んでいるの。」
それでも笑うことをやめない。
私は拗ねたように頬を膨らませた。
「ごめんごめん。」
手を合わせて謝る。
本当に謝るつもりはないみたいで、口角は変わらず上がっている。
笑いすぎて涙も浮かんでる。