flower*season
「なんで、悩んでるの?」
言葉が詰まる。
やばい、失言だった。
説明なんかできないし、上手く言い訳が思い浮かばない。
「ちょっとね。」
「何だよ、俺に言えないの?」
拓也は眉間にしわを寄せている。
ちょっとバツが悪くなり、顔をそらした。
小中学は何かあるたびに、凜と拓也に言っていたので、隠し事は初めてだった。
「もしかして、男?」
「へ?」と素っ頓狂な声を上げて、思わず拓也を二度見した。
すると拓也はもっと不機嫌そうになる。