flower*season
「へぇ、いい度胸じゃん。」
目がギラリと鋭く光る。
背筋が凍るような気がした。
拓也がジリジリと追い詰めるので、一歩ずつ後ろに下がる。
「俺という幼馴染が居ながら、他の男ね。」
「いやいや、拓也に私とか勿体なさすぎる。」
「お前、自分のこと過大評価しすぎ。」
拓也が私の頭を両手のこぶしでグリグリと押さえる。
手加減しているみたいで、痛くはない。
「女の子に暴力は反対。」
「だから、優しくしてんだろ。」
ばーかと付け加えて、次には私の髪の毛をくしゃくしゃとする。
拓也を押しのけて、後ろに下がると人にぶつかった。