flower*season
「ただの後輩ならどうでもいい」
「もう行くぞ。」
拓也が私の腕を掴んで、強引に進み始める。
それに抵抗するも理由はないので、そのままついていく。
不意に振り向くと、高原と目が合う。
高原は合った目をそらそうとしないので、私も逸らせない。
けれど、どんどん離れていくので、すぐに高原の姿が見えなくなった。
「悩んでいるのって、アイツのこと?」
拓也が立ちどまって私に話しかけた。
「ちが「ちがうくないだろ。」
拓也には何でもお見通しのようで、悩んでいるのも高原のことと直ぐにバレる。
私は何も言えない。