flower*season







――「功先輩優しいね、いつも送り向かいしてくれるの。」






凜のまぶしい笑顔に、妬ましい思いが湧いてくる。


私のときは送り向いとかしてくれなかったな。






―――「あのね、これ買ってもらったの。」





ハート柄の可愛いネックレスが、凜の胸元でキラリと光る。


凜が羨ましい。



「似合ってるね。」振り絞って出した言葉。きっと、うまく笑えてない。








―――「功先輩めんどくさいね、別れちゃった。」





私が功先輩と付き合っていたのを知って、そんなこと言うの。


好きなんだって、付き合ったって、凜に言ったよね。





私は凛みたいな可愛い女の子になりたかった。





< 7 / 70 >

この作品をシェア

pagetop