flower*season
――「功先輩優しいね、いつも送り向かいしてくれるの。」
凜のまぶしい笑顔に、妬ましい思いが湧いてくる。
私のときは送り向いとかしてくれなかったな。
―――「あのね、これ買ってもらったの。」
ハート柄の可愛いネックレスが、凜の胸元でキラリと光る。
凜が羨ましい。
「似合ってるね。」振り絞って出した言葉。きっと、うまく笑えてない。
―――「功先輩めんどくさいね、別れちゃった。」
私が功先輩と付き合っていたのを知って、そんなこと言うの。
好きなんだって、付き合ったって、凜に言ったよね。
私は凛みたいな可愛い女の子になりたかった。