未来の1/fragment




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一方、真弥は彼氏の飯田の後を追っていた。



「待って待って‼︎一緒に帰ろうよ‼︎」



真弥は飯田の腕にしがみ付き、階段を歩いていた。


真顔のままの飯田は、休み時間に見た光景が心残りで、気持ちがモヤモヤして、スッキリしていなかった。


何かあるのでは?と思ってしまうが、疑ってるっていう訳じゃない。



そこへ、1人の男子生徒が真弥と飯田が仲良く歩いている姿を踊り場からこっそり見ていた。


階段を降りていると、頭上から人の気配と視線を感じ、飯田は顔を上げた。


飯田は1人の男子生徒を見たやいなや、何かが切れたかのようにプチンとなり、真弥に確かめるように話しかける。



「なぁ真弥…俺たち付き合ってるよな?」


「うん♫急に何言い出すのよ〜」



表情が険しい飯田を見て、真弥は笑顔が消えて、くっ付いていた腕を離す。






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