未来の1/fragment
EP:005 予期せぬ過去
夏海は堀澤と別れた後、学校前から一人でバスに乗りこんだ。窓の外の景色を眺めていると、ポケットから携帯のマナーモードが鳴っていた。
携帯を手に取って待ち受け画面を開くと、あの丸林から連絡が来ていた。
『木下と飯田の修羅場は解決したのか?』
『うん、もう大丈夫』
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丸林は自分の部屋のソファーに寝転がりながら、夏海からの返事を見て笑っている自分に気付いた途端、すっと真顔に戻った。
「なんで笑ってるんだろ、俺…」
ソファに寝転がったまま、顔の真上に携帯を置いて寝ようとした途端、部屋の扉がガタっと開いた。
「部屋に入って来る時は、ノックぐらいしろよ」
丸林はソファから起き上がり、ドアの方へ振り向くと、部屋へ入ってくるや否や、冷たい視線を向ける相手は父親だった。