未来の1/fragment
EP:005 予期せぬ過去





夏海は堀澤と別れた後、学校前から一人でバスに乗りこんだ。窓の外の景色を眺めていると、ポケットから携帯のマナーモードが鳴っていた。


携帯を手に取って待ち受け画面を開くと、あの丸林から連絡が来ていた。



『木下と飯田の修羅場は解決したのか?』


『うん、もう大丈夫』



✳︎ ✳︎ ✳︎



丸林は自分の部屋のソファーに寝転がりながら、夏海からの返事を見て笑っている自分に気付いた途端、すっと真顔に戻った。



「なんで笑ってるんだろ、俺…」



ソファに寝転がったまま、顔の真上に携帯を置いて寝ようとした途端、部屋の扉がガタっと開いた。



「部屋に入って来る時は、ノックぐらいしろよ」



丸林はソファから起き上がり、ドアの方へ振り向くと、部屋へ入ってくるや否や、冷たい視線を向ける相手は父親だった。





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