未来の1/fragment
堀澤の側で給水をしていたチームメイトが、隣に並んだ。
「監督、気合い入ってんな〜」
「あぁ。前年度の試合で全国逃したからな、当然だろ。今年こそは全国大会で結果を残さないとな」
堀澤はタオルを右肩に掛け、コートに置いていたバックを持って体育館を出た。
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数時間後、昼前の4限目【体育】
体操着に着替え終わった者から運動場へ向かう。
教室には丸林1人だけ、自分の席に座り教科書を下敷きにしてスヤスヤと寝ていた。
上着を忘れた夏海が、誰もいないはずの教室に戻って来ると、丸林が制服のまま寝ている後ろ姿を目撃した。
ロッカーから自分の上着を取り、背後から丸林に近付いた。
夏海は起こそうとして、そっと右手で丸林の肩を叩いた瞬間…
キーンと耳鳴りがした途端、普段起こるようなシンクロではない、不思議な感覚に陥った。