未来の1/fragment





丸林の肩を触れた途端、何かに吸い込まれるかのように目の前が真っ暗になった。


夏海の目に映像として流れ始める。







暗闇から丸林がパッと映り、目の前には両親と兄弟?が向かい合って3人立っていた。


丸林は両親と兄弟の間で溝があるようで、1人孤立している。


終いには父親から手を上げて、丸林を叩こうとした瞬間に、再び真っ暗になった。


首元に手を置いて食いしばる丸林の苦しい表情が垣間見えた。







我に戻った瞬間、丸林がむくっと起き上がった。咄嗟に手を離した夏海に気付いた丸林はパッと席を立った。



「あれ、今何時だっけ⁇ん?次は体育だったよな。何で、お前がここに…」



夏海はいきなり丸林の襟を掴み、首元に薄っすらと痣があるのを確認した。


さっき映像に流れた通りの場所に痣がある事に、夏海は丸林を前にして後ずさりをした。






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