未来の1/fragment




堀澤は1人になり、「さっ、帰るか…」と肩にかけていたリュックを背負い直してバス停へと戻って行った。



バス停前で腕時計を見ながら、自分の乗るバスを待っていると、堀澤の目の前を一台の黒いセダンタイプの車が通り過ぎて行った。


普段は車道を走る車に目を向けることはほとんど無いが、今さっき目の前を通った車だけ放つオーラが違った。



後ろの後部座席に、あの丸林が乗っていたからだ。


車に乗っている丸林は、バス停で立って待っている堀澤には気付いていない様だった。



「あの噂は本当なのか?」



堀澤は遠く小さくなっていく黒いセダンタイプの車を、ずっと目で追っていた。





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