未来の1/fragment
教室の後ろの扉から丸林がいつもの様に遅刻をして、何事も無かったかのように自分の席まで歩いて行った。
リュックを机の横にかけた時、教卓前で数人が集まっているのに気付き、両手をズボンのポケットに入れて近寄って行った。
「テストの結果でも出たのか?」
丸林はフラフラしながらクラスメイトに話しかけ、一斉に丸林に視線を移した。
何の集まるかが気になる丸林は首を傾げるが、今この瞬間の空気感が全く読めていないのだ。
そんな丸林を他所に真弥は、再び視線をさやかに向けて「どうしたの?」と声を掛ける。
「さっきトイレの中で聞いてしまって、話してた人は誰だか分からないんだけど、とにかく夏海が危ない‼︎」
「何がどうしたの?」
危機感を覚えるさやかに対して、話しの状況が掴めない真弥は、さやかの肩に両手を乗せて肩を前後に揺らした。