未来の1/fragment
授業が終わり、夏海はすぐさま教卓前にいる担任に話しかけた。
「先生、ちょっとお話があるんですけど…」
「おぉどうした⁉︎何かあったのか?」
担任の西岡先生は夏海が珍しく話しかけてきて、驚きを隠せずにいた。
夏海が担任に話しかけている姿を、丸林は自分の席からじっと見ていた。
坂尻に悪戯をする犯人は、きっと近くで見ているはず。
影で見ていて平気で笑っているかもしれない。
でも何の為にそんな事をするのか⁉︎
丸林はハッとなり深く考え、何かに気付いた。
『他人の未来は見えるのに、自分の未来は見えないのか?』
パッと自分の席を立った丸林は、リュックを背負いながら教卓前にいる夏海に視線を向け何かを呟いた。
「本当に変な女だ」
そう言って丸林は教室を出て言った。