未来の1/fragment
授業開始3分前。
「帰ってこないね、夏海」
真弥は夏海の机の上に座り足をブラブラさせながらクラスメイトと話していると、何やら廊下がザワザワと騒がしくなった。
「何か廊下が騒がしくない?私ちょっと見てこようかな」
真弥とさやかは教室を出て行った。
下の階から階段で上がって来た堀澤は、教室の窓やドア越しから顔を出す生徒に声をかけた。
「どうした?何かあったのか?」
「トイレの方で何かあったみたいなんだけど、野次馬達で全然見えないんだ」
何かいつもと違う異変を感じた堀澤は、トイレの方へ歩いて行った。
「夏海‼︎夏海‼︎」
女子生徒が必死で名前を呼ぶ声が響き、堀澤は野次馬達を押し退いていくと、そこには廊下の床に坂尻夏海が仰向けになって倒れていた。