未来の1/fragment
「夏海、夏海‼︎聞こえるなら返事して‼︎」
真弥とさやかが必死に名前を呼んでいるところに、堀澤が駆けつけてしゃがみこんだ。
「頭を強く打って意識を失ってる。体を極力動かすな‼︎小嶋は先生を呼んで、救急車も頼む」
「分かった‼︎」
その場から離れ、さやかは廊下を走って行った。
学校の校門前にサイレンを鳴らした救急車が止まり、ストレッチャーに乗せられた夏海は病院へと運ばれて行った。
救急車を見送ったクラスメイトは、唖然とその場に立ち尽くしていた。
「さっきまで元気だった夏海が、どうしてこんなことに…」
真弥とさやかは、泣きながらお互い抱き合っていた。
その2人を横に堀澤は、周りにいるクラスメイトの肩を叩いた。
「さっ、ここに居てもしょうがない。俺たちは教室へ戻ろう」
クラスメイトを促し、校舎の方へ戻って行った。