未来の1/fragment
「キャー‼︎」
堀澤のスパイクが決まった瞬間、黄色い声援が飛び交う。
丸林は軽く手で耳を塞ぎ、キンキンする黄色い声援を送る二階を見上げた。
二階で立ち見をしているのは、恐らく堀澤を見に来ているミーハーな女子が数人見受けられた。
「はっ、堀澤かよ…。あいつのどこがそんなにいいんだか⁉︎まぁ確かに?爽やかでカッコいいのは認めるけどさ…」
丸林は堀澤に夢中な女子達を見ては苦笑いを浮かべ、再び手を動かし始めた。
「そろそろかな…」
二階で立ち見していた1人の女子がそう呟き、その場を立ち去ろうとしていた。
丸林はモップがけに必死で、全く気付くことはなかった。