未来の1/fragment






丸林は目線を遠くに黒板の方へ視線を向け、ある場所に向かって人差し指を指した。



「あとさ、まだ気付かないのか?ここ数日間、あそこに隠しカメラがあった事に」



星野は丸林の視線を辿るように、黒板の方に振り向いた。


確かに黒板の上に掛けられた丸い時計の隣に、小さな隠しカメラが設置されていた。



「お前の行動や言動は全て録音されてるはずだ。これは大きな証拠になるだろう。それにしても坂尻は容赦しないよな、執念深いというか、準備周到というか…。

見事に坂尻の仕掛けた罠に引っかかり作戦勝ちって訳で、完全にお前の負けだ‼︎」



ふらっと体の力が抜け、両手をついて机に寄りかかり俯く星野に対して、丸林は自分の足元を見て深く溜息をついた。





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