未来の1/fragment
翌日、開けていた窓から小鳥の鳴き声が聞こえて来た。
目を覚まし、ゆっくりと瞼を開けると、そこで最初に見えたのは真っ白な天井だった。
「夏海‼︎よかった、目が覚めて」
母親がニコッと微笑み、頂いた花束を花瓶に差して飾っているところだった。
「ここが何処か分かる?病院よ‼︎」
自分が何故病院にいるのか理解出来なかった。
確か、自分は学校の休み時間に廊下を歩いていて…
あれ?その後、私は何してたっけ?
ベッドの隣に小さな棚があり、そこに自分の制服が綺麗に畳まれていた。
「どう?何か思い出した?」
夏海は頭を横に振ると、頭痛がズキンとして思わず目を瞑る。
頭を抑える夏海を見かねた母親は慌てながらも、ベッドに横になる様に促した。