未来の1/fragment
夏海が教室を出た後、丸林もリュックを肩に背負い、教室を出ようとした。
その前に一度堀澤の前で立ち止まり、じっと無言で目を合わせ、何も告げずに教室を出た。
* * *
夏海、真弥、さやかの3人は、肩を組み、仲良く下校している時だった。
突然、キーンと耳鳴りが鳴る夏海は、耳を抑えながら周りの音に同調し始めた。
辺りは下校途中の何気ない風景が広がる中、ふと後ろを振り返り、校舎の1番上の屋上を見上げた。
誰かが、屋上にいたような…いや、そんなことがあるはずがない。
だっていつも屋上に繋がる扉には、鍵が掛かっているのだから。
誰かに危機が迫っている予兆なのか、それともそうでは無いのか。