未来の1/fragment
「しょうがない、じゃあ堀澤読んでくれ‼︎」
「はい」
西岡に当てられた堀澤は立ち上がり、教科書を読み始めた。
堀澤が教科書を読み上げている間、夏海は後ろを振り向き、うつ伏せに寝ている丸林を見た。
* * *
昼休み
自動販売機のボタンを押してジュースを買い、夏海は図書館前のコミュニティースペースへ向かう。
先にジュースを買い、座って飲んでいた真弥とさやかのそばに立ち、缶ジュースをガチャっと開けた。
「今年の生徒会長選挙、誰が出ると思う?」
「この学年に生徒会長みたいな器の人いるっけ?」
「いや、どうだろう…」
「ねぇ、夏海は出る気ないの?」
「何であんなのに出ないといけないの?別に総理大臣になりたいわけでもないのに」
「総理大臣って⁉︎」
夏海の予期せぬ発言に、2人は声を出して笑う。