未来の1/fragment
* * *
一方、堀澤が探している服部はというと、朝一で出した宿題のノートを両手で抱えながら持ち、周りをキョロキョロしながら立ち入り禁止のロープを跨いで階段を上り始めた。
腕時計を見て、あと五分で13:00までの昼休みが終わる。丸林は溜息をつきながらポケットに手を入れて、怠そうに廊下を1人でフラフラと歩いていた。
すると階段を上る重い足音が聞こえて、ふと階段の真横から顔を上げた。
階段を上って行く横からの姿は服部だった。
「なーんだ」
服部の姿を見て何も思わなかったのだが、階段の真下を通りかかった時に表情が一変する。
「立ち入り禁止…」
服部が上って行くのは、屋上へと繋がる階段だった。その為普段から人の出入りも無く、電気も付いていない真っ暗な空間で、誰も近付かない。