未来の1/fragment
「なんだ、丸林か。聴取は終わったの?」
むくっと起き上がる夏海は、目を擦る。
「あぁ、今帰って来た」
「そっ。今何時?…もうこんな時間かぁ」
再びふて寝をする夏海は、隣にいる丸林に話をする。
「服部の未来が見えなかった。私は何も出来なくて…微かに見えた彼の背景が、丸林とどことなく似ている気がした。
彼と同じ境遇で、同じ悩みを持っていることを明かした。今回彼を救ったのは丸林、あなたに助けられた」
意外にも素直な気持ちを話す夏海に、丸林は思わず目を大きく開けてびっくりする。
「俺はたまたまあの場にいただけだ」
照れ隠しなのか、右手で前髪をかきあげる。