未来の1/fragment
「いつか耐えきれなくなって、お前潰れるぞ」
後ろを振り返り、夏海に一言そう告げて教室を出て行った。
私を気遣う彼の優しさが垣間見えた瞬間だった。
それと同時に、秘密を共有する程の仲になっていた事に、今更気付く自分がいた。
丸林は校門前で立ち止まり、校舎を眺めた。
これでようやく分かった。
俺のやるべき課題が見えてきた気がする。
何があっても諦めない、強い気持ちを持たなければならない。
丸林はそう心に決め、学校を後にした。
1人の人間の中には、多くの秘密が隠されている。
悩みの種になるようなことは世界中に、それこそいくらでも転がっている。