未来の1/fragment
席を立ち病室を出ようとする3人に、夏海はベット越しから声を掛けた。
「今日は来てくれてありがとう」
「早く退院できると良いな‼︎」
「うん」
「学校で待ってるね‼︎」
「無理したらダメだよ‼︎」
「うん、分かってる」
手を振って3人を見送り、1人ポツンと病室に残された。
数分後、母親が病室に入って来た。
検査結果は異常なし。
頭部外傷の疑いで24時間は要観察だったが、何も問題がなかったので、翌日退院が決まった。
また来週からいつものように学校へ通える。
ベッドの隣の棚に置かれた制服を見て、この時はそう思っていた。
でもこの事故が夏海の運命を大きく変わっていく事を、まだ気付いていない…