未来の1/fragment
EP:011 引き金を引く
壁に掛けられた時計の針が、22:00を過ぎようとしている。
ガチャっと玄関のドアを開け、スタスタと家の中に入る丸林は、誰にも声をかけずにリビングを通り過ぎようとした。
ソファに座ってテレビのニュースを見ていた父親が、丸林に気付く。
「今何時だと思ってるんだ?学校はこんな遅くまで授業してないだろ?一体どこをつき歩いてるんだ?」
父親の声を聞いた丸林は足を止める。
「急にどうしたんだよ、俺の心配をするようになった?遊んでた訳じゃないから、別にいいだろ⁉︎父さんには関係ない」
丸林は鼻で笑い、そう言って二階に上がる。