未来の1/fragment





数日振りに自分の教室に足を踏み入れた瞬間、いきなり頭痛がし始め、思わず夏海は片目を瞑った。


そんなことは知らずにクラスメイトは、教室に入って来た夏海に声を掛ける。



「夏海‼︎もう大丈夫なの?」


「うん、私が居なくて寂しかったでしょ⁉︎」


「まぁね‼︎」



ちょっとした冗談を言って友人達を笑わせ、自分の席に座った。


斜め後ろに座っていた堀澤も夏海の姿を見て安堵していた。



だが夏海は席に座った状態で耳鳴りがキーンと鳴り、他人の話し声や机が動く音、黒板を消している時に飛び散るチョークの粉。


空気、雰囲気、波長、その場の異物や違和感を感じ、無意識に音や空気に同調(シンクロナイズ)し始めた。





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