未来の1/fragment
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一方、誰もいない体育館の前に1人、男子生徒が扉の前に立ち止まった。
リュックを入り口にドサっと置き、ガラガラと両手で扉を開けて、体育館の中へ入って行く。
体育館の真ん中で足を止めて、誰もいないシーンとした空間に1人天井を見上げた。
体育館の入り口に置かれたリュックから教科書が飛び出ており、【堀澤】と黒ペンで書かれていた。
教科書を拾い上げ、それを見た女子生徒が体育館の中を覗いた。
「やっぱりここにいた」
堀澤は体育館の入り口の方へ振り向くと、そこには夏海が立っていた。
「昨日はお疲れ様。今日の検査結果はどうだったの?」
夏海はスタスタと体育館の中へ入って行き、堀澤に少しずつ近寄る。
「数年前に膝の怪我をしてて、膝を長年かばい続けていたら、腰を痛めたんだ。数週間は体を休めろって」
「そうなんだ」