未来の1/fragment




「来月には代表の合宿に呼ばれてるけど、今のままだと無理そうだな…」



体育館の床に座り込み胡座をかく堀澤に対して、夏海は立ったまま呟いた。



「堀澤の膝の怪我って、持病じゃなくて事故が原因なんでしょ?」



堀澤はハッとなり顔を上げて夏海を見た。



「どうしてその事…⁉︎」


「あの日…膝の怪我を負わせたのは、私なの」



夏海からいきなりの自白に、堀澤は頭が真っ白になった。



夏海は堀澤の肩に手を置き、触れた途端に堀澤はあの日の出来事を思い出す…



✳︎ ✳︎ ✳︎



3年前、中学3年生


堀澤は練習帰りにチームメイトと夜道を歩いていると、背後からキーというタイヤの異音が遠くから段々近付いてくる気配がした。





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