未来の1/fragment
止まりそうにないスピードで、交差点に入ってくる車にいち早く気付いた。
青信号で横断歩道を渡っていた女子学生を見つけてや否や
「危ない‼︎」と堀澤は声を上げ、咄嗟に女子学生を助けようとした時だった。
地面を転がり、歩道の側まで辿り着き何とか事なきを得た。
その時に膝を地面のアスファルトにぶつけてしまい、痛みで顔を歪ませていた。
「あの…ありがとうございます」
女子学生は長い髪を耳にかける仕草を見せた。
すると堀澤の異変に気付き、そばに寄ってしゃがみこんだ。
「膝を打ったんですか?」
女子学生は堀澤の膝についた砂を手で払い、鞄からハンカチを慌てて取り出す。
痛がって膝を見ていた堀澤は顔を上げて、手当てをしてくれている女子学生と目が合った。
綺麗な鳶色をした瞳で真っ直ぐと見つめていた…