未来の1/fragment
夏海の目には、隣にいる彼しか視界に入らず、会った瞬間、言葉にならなかった。
「間違いじゃない、あの時の彼だ‼︎」
彼は夏海と違うクラスだった。
廊下ですれ違い様に、右手に持っていた教科書に黒ペンで【堀澤 大志】と書かれていた。
「堀澤くん…かぁ」
数ヶ月後、廊下に1枚のポスターが貼られ、その時に堀澤がバレー選手であることが分かった。
「あの時の膝の怪我は良くなったのかな」
怪我がそれほど大事になってなくて良かったと、ずっと思い込んでいた。
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だが堀澤はあの時の膝の怪我を背負いながら、身体のどこかでカバーしながら今日まで過ごしていたことを知った夏海は、すごく落ち込んだ。
あの時の少女が私で、今までこの事について話さなかった事に対して、堀澤はきっと怒るだろうと思っていた。
だが夏海の予想は、大きく覆された。