未来の1/fragment




「坂尻には『何も言わなくても分かるだろ』っていうスタンスが通じない。やっぱり相手に自分の気持ちを分かってもらうには、ストレートに伝えるべきだろ」


「なんかお前、意外だな」


「そうやって逃げてる奴は土俵にも上がってないから、相手にならないな」



堀澤は丸林に鋭い視線を送っていると、バスがやって来て、そのバスに乗り込んだ。


丸林はバス停の柱を足で蹴った。



✳︎ ✳︎ ✳︎



翌日、授業中に後ろの席に座る丸林は、前方の席で必死にノートを写す夏海の後ろ姿をじっと見ていた。


そんな2人を離れた席にいる堀澤が、机に肘をつきながら様子を伺った。





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