未来の1/fragment
授業の合間の10分休みに入ると、待っていたかのように丸林は椅子から立ち上がり、夏海の席へ向かう。
夏海は顔を上げ、眉間に皺を寄せる。
「何?どうしたの?」
「さっきの授業でさ、ここが分からなかったから教えて‼︎」
「どうしたのいきなり⁉︎いつから勉強に目覚めたの?何?何か悪いことでも企んでないでしょうね?」
夏海は左手に持っていたボールペンで、丸林の腹部をツンツン突く。
「やめろ、人聞き悪いこと言うな‼︎俺はなぁ、やれば出来るんだぞ⁉︎」
「どこが?よく自分で自信満々に言えるわね⁉︎」
夏海と丸林のやり取りを聞いていた真弥とさやかは、ぽかんと口を開けて
「ねぇ、いつから仲良くなったの?」
【「仲良くない」『仲良くない‼︎』】
夏海と丸林はフッと顔を見合わせたものの、直ぐに顔を逸らした。