未来の1/fragment
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授業が終わり、18:00。
誰もいないはずの教室に、前後に座って勉強をする夏海と丸林。
丸林はシャーペンを鼻の上に乗せながら、問題集とにらめっこをしているうちに、だんだん眠くなってきた。
ガクッとなりながらうたた寝し始めたのに気付いた夏海は、後ろの席から丸林の背中を教科書で突いた。
「痛った‼︎」
「寝てたでしょ!やるからにはちゃんとして‼︎」
「はい」
「ほら、姿勢を正す‼︎だらだら背もたれに寄りかからずに座わる」
「お母さんかって…」
「は?今なんて言った?聞こえなかったから、もう一回言って?」
「いや、何でもないです」
再び問題集に取り掛かるも解けずに頭を抱え、後ろの席に座っている夏海に声を掛ける。