未来の1/fragment
少し先の未来しか分からないけど、この放課後の勉強会が、丸林の今後にとってしっかり意味があって、ちゃんと結果が出るならやりがえがある。
夏海はそう思いながら、少しでも丸林の背中を押してあげたいという気持ちに変わっていった。
「ちょっと問題集貸して!」
夏海の言われるがまま丸林は、自分の問題集を手渡した。
問題集をパラパラと開き、ピンクの付箋をペタペタと貼り始める。
「この付箋を貼ったところを、明日までに解いてきて」
「明日?早すぎるだろ⁉︎」
「もし課題をして来なかったら、許さないからね」
黒板の上にある時計を見た夏海は「もうこんな時間‼︎」と言って、机の上に広げていた教科書類をリュックにしまい始めた。
「私はもう帰るけど、どうする⁇まだ残って勉強する?」
「いや、俺も帰るよ」
丸林も急いで帰る準備をして、リュックを肩に背負い夏海の後を追うように教室を出た。