未来の1/fragment
授業が終わった途端に、丸林の元へ歩いて行き、借りていた問題集を机に置いた。
「間違ってるところに解説書いてるから、ちゃんと読んで理解して‼︎」
「どうして参考書見ながら勉強しないのか?」
「あなたは集中力がないから、長い時間ぼーっと参考書を眺めて勉強するより、短時間で問題を解く方がいい。バカでも頭に入りやすい」
「バカって何だよ⁉︎」
「今日の課題は違う色の付箋貼ってるから、ちゃんと解いてきてね‼︎また明日の朝に確認するよ」
ふふっと笑う夏海は、丸林の席から離れそのまま教室を出て行った。
受け取った問題集をパラパラと見て、唖然とする。
「昨日より量が多いぞ…」
溜息をつきながら問題集を閉じて、机にうつ伏せになった。
そんな丸林を遠くの席から見ていた堀澤は、席を立った。