未来の1/fragment
「丸林‼︎」
名前を呼ばれ、声がする方へ振り向くと夏海が丸林に向かってピースをしていた。
掲示板に書かれた自分の順位の先、つまりトップは夏海だったのだ。
勝負にあっさり負けてしまい、思わず右手で髪をかきあげた。
✳︎ ✳︎ ✳︎
朝のホームルームで、担任から成績表が1人ずつ配られた。
「丸林‼︎」
自分の席から教卓まで歩いて行き、担任の西岡から成績表を手渡され、肩をバシバシ叩かれた。
「今回はよく頑張ったな‼︎」
順位は10人/250人、クラスでは4人/40人で上々の出来だった。
誰もが驚く順位につけた前代未聞の出来事に、席に戻る丸林に拍手が湧いた。