未来の1/fragment
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教室の後方にある自分のロッカーを開けて、教科書を探していた夏海に、さやかが声を掛けた。
「そういえば、西岡先生が13:30から1人ずつ面談するから教務室に来いって」
「うん、分かった。あっそうだ‼︎」
夏海はスカートのポケットから、メモ紙を取り出してさやかに渡す。
「これをクラスのみんなに回してて‼︎」
「了解‼︎」
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夏海は教務室の前に立ち、ドアをノックした。
「2年の坂尻です、失礼します」
中に入り、西岡を探すが見当たらない。
黙って西岡の席の前で待っていると、ふと本棚の上に写真立てが伏せてあるのに気づいた夏海は、その写真立てに手を伸ばした。
西岡が母校でもある光府高校の卒業式、校門前で撮られた写真だった。
肩を組んで写っている相手に、思わず首を傾げた。
「どこかで見たことある顔…」