未来の1/fragment
「先生は大人達と子供達の中間に立っている存在。何気ない一言や態度、どれを取っても教師が生徒の人生を180度変えてしまうほど影響力を持っています。
彼は両親との確執に対し、悩みの捌け口を探してて、自分が抱えている悩みに真摯に向き合ってくれると思って、少しづつ先生に話し始めている。
両親との確執を無くす、彼にとって良い方法はないでしょうか?」
夏海は西岡に会釈をして、教務室を出て行った。
椅子に座り、両手で頭を抱えて西岡は考え込む。
机の棚に伏せておいていた写真立てに西岡は手を伸ばし、丸林の父親と映る自分の写真をじっと見た。
素晴らしい教師、特に担任の先生との出会いが教師の道へ進むきっかけとなった学生がとても多い。
それも8割以上といっても過言ではない。そして正しく自分がその例に当てはまる。
教師が子供へ与える影響の大きさについて、改めて感じ始めていた。