未来の1/fragment




成績表を一通り目を通すと、クラスどころか学年の下位から上位に著しく伸びているのを見て、父親は思わず声を失った。



「驚異的な成績だろ?俺は学年一位の坂尻には勝てっこないが、それなりに近づくことは出来た。まだまだ俺には伸びしろはあるって事かな?可能性は無限大だな」



母親と弟も丸林の成績表を見に駆け寄り、目を疑った。



「まじかよ…」



丸林は成績表を奪い取り、二階にある自分の部屋へと戻ろうとしたが、階段を上る直前に足を止めて後ろを振り返った。



「父さん、俺は今日から変わるよ」



そう言って階段を上っていく丸林の後ろ姿を見届ける父母弟達は、誰も何も言葉を発しなかった。



部屋へ戻った丸林は、成績表を机の目の前に貼った。



「よし‼︎」



椅子に座り、机に置かれたテキストに手を伸ばし勉強をし始めた。





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