未来の1/fragment
自然と同調(シンクロナイズ)が消えてしまい、あれ?っと不思議に思い、頭を傾げた。
耳鳴りがする時は、何か嫌な気配がする。でもそれが何の予兆なのかが分からない。
そんな事が今まで一度も無かったのに…
ジュースを片手で持ち、ストローを刺して一口飲んでいると、スカートに入れていた携帯のマナーモードがブルブル鳴った。
「もしもし?」
「俺だけど、今どこにいるの?」
「どこって…まだ学校にいるけど」
電話をかけながら階段を降りてきた丸林は、周りをキョロキョロ見渡し、夏海の後ろ姿を見つけた。
そっと近付き、携帯で夏海の肩をトントン叩いた。
「やっと見つけた、探したんだぞ?」
夏海は隣に並ぶ丸林を見ながら、叩かれた肩を手で摩る。