未来の1/fragment





「何、どうしたの?」



携帯をポケットに入れて、ジュースを飲み干した夏海はゴミ箱に捨てる。



「その…ちょっと、今から行きたいところがあるんだけど」


「どこに行くの?」


「まぁ、俺について来たら分かるって‼︎」



丸林はニヤッと表情を緩ませながら、夏海の先を歩いて行く。



「急に何なの?」



首を傾げながらも、先を歩く丸林を追いかける。丸林の隣に並ぶと、ふと顔を見上げた。



「何だよ⁉︎」


「どこに行くのかなと思って?」



✳︎ ✳︎ ✳︎



夏海はテーブルの上に肘をついて、口をポカンと開けながら思わず唖然とした。


目の前で両手にナイフとフォークを器用に使って、ハンバーグ定食を黙々と食べる丸林をじっと見ていた。



「何?」


「そんなにお腹空いてたの?」


「うん」



丸林が行きたいところとは、何とファミレスだった。





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