未来の1/fragment
夏海は少し呆れながら、丸林に問いかける。
「それなら真っ直ぐ家に帰って、ご飯食べればいいのに」
「家には誰もいないし、食欲が湧かない」
1人で淡々と食べる丸林を見ながら「ふぅーん」と言いつつ、夏海は自分で頼んだドリアを一口頬張った。
「なぁ、それだけでお腹一杯になるのか?」
「うん。私の事はいいから、ほら食べて‼︎」
促されて食べる丸林だったが、ナイフとフォークでハンバーグを一口サイズに切り始め、夏海のドリアの上にハンバーグを置いた。
「ありがとう」
夏海は自然と口角が上がってしまった事に気付き、再び真顔に戻る。
そんな夏海の表情を見るや否や、丸林はクスッとなった。
2人はそれから食べ終わるまで会話を一切せず、黙々と食べ進めた。