未来の1/fragment



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ファミレスを出た後に、2人並んで歩きながら帰路に就く。



「そんなにファミレス行きたかったの?」


「温かいご飯が食べたくなったんだよ」



両手をズボンのポケットに入れながら真っ直ぐ前を見て平然と話す丸林だが、彼の家庭環境を知っている身としては、胸が痛くなる。



考え事をしていた夏海を他所に、丸林は夏海の肩に背負うリュックのチャックの隙間から赤本が見えたのを見逃さなかった。



「なぁ、お前さぁ…狙う大学間違えてないか?」



ハッとなる夏海は、慌ててリュックのチャックを閉める。



「見たでしょ⁉︎」


「お前はT大学に行ける成績なのに、どうしてなんだ?俺からしたら本当に理解出来ないな。他の奴は必死に勉強してT大学に行きたがるのに…」


「成績が良すぎて困ってるの」



ふふッと笑う坂尻はやはり俺の鼻につく。自意識過剰、またもや傲慢というべきか。


やれやれとお手上げ状態の丸林だが、負けじと反発してみる。





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